・「水固め」のこと

今日は「水固め」という村の行事に参加。正式(?)には「苗植報告祭」と言うらしいのだけど、無事田植えが終わったことを村の神社の氏神さま(産土神とも言う)に報告し、今年の豊作を祈念する行事でした。

まずは家から持っていったお米を氏神さま(複数)のさい銭箱に入れてそれぞれ参拝しておいてから、神主さん(非常勤で、行事のある時だけやってくる)に入ってもらって、祝詞を上げてもらい、代表者が玉串を捧げて、最後にお神酒を頂いて終了、という流れだったんだけど、昔、民族学とかかじっていた人間には、いろいろと面白い発見があったり(笑)

最初に唱えられたのはイザナギノ命が黄泉から帰ってきて禊をする場面で、多分、主神の天照大神に敬意を表しているのだろうし、神主さんがあげた祝詞も、風水害や旱魃、虫害などのさまざまな災いを避け、秋に豊かな稔りを願うような内容で、今でこそ伝統行事だけど、昔は人間にはコントロールできないものを真剣に神に祈るような内容であり、禍いをもたらす荒魂(あらたま)を鎮魂することで恵みをもたらす和魂(にぎたま)に祀りあげる、みたいなあたりは日本人の伝統的な思考形態のかなり深いところにつながっているのではないかと考えたりもした。

まぁ、現実問題、「水固め」の儀式も、神社に参拝するのは半ば口実で、実態はその後、公会堂で一杯飲むのがメインだったりするのだけど、身近なところにこういう行事が残っているのは、若いころ田舎を離れた身には新たな発見だったりした今日このごろ。



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Last-modified: 2021-12-17 (金) 16:35:41