・「いかなご」の季節
私の住んでいる兵庫県南部では,「いかなごの釘煮」が春の風物詩です.3月1 日にいかなご漁が解禁になり,近所のスーパーでもいかなごの釘煮用の醤油や ザラメ,釘煮を入れるためのパック等が特設コーナーに並びます.郵便局もこ の時期になるといかなごを送るための 専用パックのサービス始めたり.
ウチでも,各地の知人にいかなごの釘煮を送るために,毎年 20kg 前後のいか なごを買ってきて大鍋で釘煮にしていますが,今年はその光景を写真に撮って みました.
まずは買ってきた「いかなご」をざるにとって洗った状態.写真では見分けが つかないと思いますが,釘煮には「新子」と呼ばれる今年生まれた「いかなご」 を使い,このザルには3〜5cmくらいの「新子」が4kgほど入っています.
「釘煮」とは,炊きあげた「いかなご」が釘のように曲っていることからの命 名だそうですが,調理方法はいわゆる「佃煮」で,醤油,酒,みりん,砂糖(ザ ラメ)で甘辛く煮付けます.独特のくさみを取るためにしょうがと実山椒が入る のが特徴かな?風味付けにゴマやユズ,レモンを入れたりもします.この大鍋 では 4kg と 3kg のいかなごを炊く予定.
沸きたった鍋に「いかなご」と刻んだしょうがを入れているところ.一応,しょ うがも「いかなご」のサイズに合わせて細長く切っています.これが結構手間 だったり.
沸騰してくるとアルミ箔で落し蓋をして,吹きこぼれないように火加減を調整 しながら煮つめていきます.
30〜50分くらい煮つめていくと,煮汁が少なくなってきます.できるだけ煮汁 が少なくなるまで煮つめる方が味が濃くなっておいしいのだけど,煮汁が少な くなってくるとちょっと目を離したすきに焦げついたりするので,どこまで煮 つめるかは結構難しい判断だったり.
煮つめた「いかなご」はざるに上げ,扇風機で風を送って一気に冷まします. 一気に冷ますことで色が濃くなって味も染みるらしい.
完成した釘煮,二ザル分.手前が 4kg,奥が 3kg だったかな?今日は 4kg を もう二回炊いて,計 4 ザルになりました.冷ましたイカナゴは1kg弱ずつパッ クに詰められて,翌日には日本各地に旅立って行きました(笑