diary/Kojima

・アテンション・エコノミー

某所の講義がらみで少し調べてみたけど、T.H.ダベンポートの本の翻訳も現在は品切れみたいだし、 2006のEtechで取りあげられて、その後 blog とかではあれこれ書かれているみたいだけど、 2006-2007くらいがピークで、その後はあまり出てこない感じだなぁ。

まぁ、これからの社会では「注目(アテンション)」が希少財となって、産業社会における「貨幣」のような位置づけになる、 というアイデアそのものは面白いけど、自分が得ている「注目」を確認したり、管理する具体的な方法は生まれてこなかったし、 多分これからも生まれてこないと思ふ。

品切れでネタ本が読めないのは残念だけど、ブログの書き込みや書評等から見る限り、Knowledge Managementとしての「注目」と、 情報社会における交換財になりうる「注目」を意図的に混同しているような印象。 多分、Knowledge Managementとしての「注目」は、かって某ヒューマンファクター研究センターでやってたような、 人間の注意力をいかに適切に管理するか、みたいな話になるのだろうし、情報社会における交換財になりうる「注目」は、 いわゆる「智のゲーム」で得られる「名声」とか「権威」みたいな話になるのだろうけど、 後者の場合、「注目」を得ることは「目的」ではなく、智のゲームでより新しい智を生み出すことによって得られる「結果」だから、 「こうすれば注目が得られる」みたいなノウハウ的な話にはならない印象。

後者の「注目」は、あくまで、自分が「いい」と思うもの、「面白い」と思うものを世間に広めようとした結果、 「たまたま」回りの人もそれが「いい」と思い、「面白い」と思った結果生まれるので、 意図的に「注目」を集めるような活動は、短期的には効果があるかも知れないけど、長期的には底が割れるというか、 長続きはしないので、それらを区別する必要があるかな、というところだけど、もうちょっと考えると、 結局「交換財」としての「注目」を客観的に計測する手段が存在しないし、これからも存在しないだろう、ということなんだろうな。

ブログの閲覧数や twitter のフォロワー数で計測する方法も提案できそうだけど、それらはあくまで一断面だから、 それを一般化することはとても無理だろうなぁ。そう考えると、結局一時のブームに終ったのもむべなるかな、という感じか。。。



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Last-modified: 2021-12-17 (金) 16:35:42