diary/Kojima

・チラシ裏その2

「地球人は、火星人が攻め込んで来でもせんかぎり、団結できないだろう」という話はよく聞くけれど、もしかして「イスラム国」というのは自ら「火星人」の役割を果そうとしているのだろうか?

というのは冗談にせよ、最近の「高度資本主義社会」は一握りの「資本家」とそれ以外の「プロレタリアート」との格差が極端に開いて、かって19世紀の後半にマルクスが見ていた資本主義の問題点がまさに露呈してきている気がする。

マルクスはその観察を元に、資本主義はいずれ自己崩壊の道を歩み、共産主義の社会が来るだろう、という予言をし、その予言を信じた連中が帝政ロシアで革命を起し、資本主義に虐げられていると感じていた「プロレタリアート」たちがその波にのっかって世界中で革命運動を起したのはご存知の通り。日本でも幸徳秋水や大杉栄といった連中がいたよなぁ。

そうして生れた「プロレタリアートのための」社会主義陣営が西側の資本主義社会と対峙する「冷戦」環境においては、資本主義の側も労働者の寝返りを防ぐために搾取の手を緩めざるを得なくなり、社会保証や労働条件とかを手厚くして、いわゆる修正資本主義的な考えが出てきた。

ところが、社会主義陣営が経済戦争に敗北して前世紀の末に雪崩を打って崩壊していった結果、資本主義社会も従来のように労働者を手厚く保護する必要が無くなり、「グローバリゼーション」の名のもとに急速な発達を進め、かってマルクスが指摘していたものの冷戦環境下には見えにくくなっていたさまざまな問題点が改めて顕在化しているのが昨今の状況、という気がする。

100年前、当時の資本主義社会に抑圧され将来への希望を失なった若者が「共産主義」に夢を求めて世界各地の革命運動に身を投じたのと同じような現象が、今、「イスラム国」に代表される宗教原理主義に対して生じているのではなかろうか。

日本にも、自らを疎外する既存の社会を破壊できるなら「共産主義」だろうと「イスラム教」だろうと関係ない、と考える無職・無家族のいわゆる「無敵の人」が多数いるから、「イスラム国」に身を投じる連中や、感化されたテロ行為をするような連中はこれからも出てくるのだろうなぁ。


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Last-modified: 2021-12-17 (金) 16:35:42