diary/Kojima

・SCO 問題が決着

先週末に Novell と SCO が争っていた UNIX の著作権問題に関する訴訟の判決 が出たけど,,ほぼ Novell の完勝という結果になったみたい.

Groklawに上がっていた判決文のPDF を斜め読みした限りでは,判事は「NovellがSCOに売却した知的財産はUNIXと Unixwareの商標と,これらを元に作ったソフトウェアに関する全ての権利であっ て,Unix自体の著作権は Novell が保有し続けている」と判断したらしい.

# 錯綜した議論を,Novellと当時のSCOとの契約書に遡って整理してゆくあたりはなかなか見事で,快刀乱麻を断つ趣き,といった感じだった(笑

結果として,SCOは,UNIX(SVRX)のライセンスで得た収入の95%をNovellに支払 う必要がある,という契約条項も有効と認められ,この条項はSUNやMSが支払っ たSCO Sourceの契約にも適用されるべき,というNovellの主張が通ったことは SCOにとっては大きな痛手だろうな.

# Novellが主張していたSCO資産の仮差押えは認められなかったようだけど

契約書の文言を解釈するそれぞれの判断に根拠とすべき過去の判例とかも引か れているし,細かなところまでSCOの主張を否定した根拠を上げているので,上 級審とかでこの判決を覆すのはかなり大変そうだ.

2002年ごろから始まったSCO問題も,当初の「LinuxはUNIXの違法コピーだから 利用者は使用料を支払え」といったFUDから「IBMとSeaquentが違法にコードの 一部をLinuxに移植した」といった損害賠償訴訟,それに対してのIBMの反訴, といった形で紆余曲折していったけど,結局のところ Novell が起した「SCOには UNIXの著作権を渡していない」という主張が最初に認められ,その結果として SCOの他の提訴の根拠が崩れるという結果になったわけか...

NovellとSCOの争いは,完全に契約書の文言の解釈についての議論でUNIXの技術 に関する議論は無かったし,これでSCOが訴えている訴訟の根拠が崩れてしまう と,IBMとの争いとかも技術的なところには踏み込まず門前払いに終ってしまう だろうと思うと,ちょっと物足りないところもある感じ.

そう考えると,SCOの要求に従って,AIXの過去の全バージョンのソースコード やら変更履歴,開発関係者の証言とかを集めさせられたIBMが一番の被害者とい うことになりそうだが,それらに対する損害賠償請求なんてのが起きるのかな?

# それまでSCOが持つことはないと思うけど..



トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2021-12-17 (金) 16:35:41