diary/Kojima

・最近読んだ本

「古代中国の宇宙論」 浅野裕一/岩波書店

uchuuron.jpg

ここしばらくハマっている浅野先生の,宇宙論を中心にすえた中国の古代思想論.

内容的には,今まで読んできた本とそれほど大差のない議論なんだけど,宇宙 論というところに焦点をしぼって,「なぜ(文化的には進んでいたように見え る)中国に(西欧のような)科学技術文明が生まれなかったのか」といった疑問に, 自分なりの理由づけをするために書いたような感じ.

ただ,宇宙論に代表される科学哲学という部分では確かに儒家も墨家も道家も ギリシアの思想家からその思想を受けついだキリスト教神学が生みだしたよう な科学的な宇宙論を生み出せなかったのだけど,個々の技術的な部分について は「光は東方より」と言われるように,紙や羅針盤,火薬といった発明が中国 由来だったりするので,一概に思想家の持っていた宇宙論の違いで科学技術文 明の違いにまで持ってくるのは難しいかな,という印象.

この先を考えるには積読と化している「磁力と重力の発見」あたりを読むこと になるかな.


・炎上

ネット上でブログが誹謗中傷の書き込みで炎上する,というのはよく聞くし, 最近でも「炎ジョイ」とか言う炎上しているサイトの情報を共有しようという サイト自身が炎上してサービスを中止したり,自身のブログに坂出の祖母と孫 二人の行方不明事件について犯人を名指しするような書き込みをして炎上,謹 慎をくらった某タレントの話を聞くにすれ,昨今は,いよいよネットの世界も 現実世界に近づいてきたなぁ,,と思う今日このごろ.

世間的には,ブログは日記のように身の回りの出来事を書けばいいように思わ れがちだけど,インターネット的に考えると,公道に面した自宅の壁に書いた 内容を張り出して,その内容を拡声器でアナウンスしているようなものなんだ よなぁ.

それこそ20年以上前のネットニュースの時代から,「ネットワークの世界は現 実世界と同じ」「ネットの世界の書き込みは未来永劫残る」と言われてきたの だけど,ケータイのようなパーソナルなメディアからネットに触れた人は,ネッ トの世界での公私の区別が難しいのだろうな,という印象.これからの情報リ テラシーの教育には,そういった公私の区別といったあたりから扱わないとい けないのかも知れないが,そのヘンをマジメに扱うと道徳の授業と被りそうな 気もするな.

その一方で,匿名性をいいことに,安易に炎上(=「祭り」)に参加したがる人が 多いことも気になるところ.個人的には,ネットへの匿名での書き込みという のは,本当にその必要性がある場合以外は認めないような仕組みがある方がい いように思うのだが,slashdot.jp の書き込みとかも本家(slashdot.org)に比 べるとAnonymous Coward が多いらしいので,匿名性を誇る 2ch が隆盛を極め るというのも日本人の文化的な特徴といったあたりから考えないといけない現 象なのかも知れない.



添付ファイル: fileuchuuron.jpg 119件 [詳細]

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2021-12-17 (金) 16:35:41