・最近読んだ本
「玉勝間(上)」 本居宣長著 村岡典嗣校訂 岩波文庫
江戸時代中期の国学者,本居宣長が晩年期に書いた随筆集.同じ岩波文庫の 「古事記伝」なんてのも持ってはいるが,なかなか読み通せないのに対して, こっちは,一つ一つが短いエッセイなので,面白く読めた.
本居宣長の「国学」では,日本古来の素朴で単純な考え方こそ神から伝えられた 「まことのみち」であり,中国の陰陽五行説とか天命説を「まことのみち」 を知らない人間があれこれ考えをこねまわして理屈づけた「漢意(からごころ)」 として否定するのだけど,このあたりの論理を読んでいると昨今の「ネット右翼」 とか「プチ右翼」みたいな言動とパラレルに見えて結構興味深かったり.
# 本居宣長の先に平田篤胤がいて,その先に尊皇攘夷思想や靖国神社とかがつながっていることを考えると,笑っていられないところもあるのだけど..